膀胱の痛み

膀胱の痛み

「下腹部(膀胱のあたり)がチクチク、ツキツキと痛む」
「尿が溜まってくると膀胱が圧迫されて痛い」
「排尿の終わりにキュッとした痛みが走る」など、膀胱の痛みや違和感に悩んでいませんか?
膀胱の痛みは、特に女性に多く見られる「膀胱炎」の代表的な症状ですが、なかには放置すると重症化する病気や、男性特有の疾患、あるいは原因が特定しにくい特殊な慢性疾患(間質性膀胱炎など)が隠れていることもあります。また、「場所が場所だけに、恥ずかしくて病院に行くのをためらってしまう」という方も少なくありません。
本ページでは、膀胱の痛みが起こる原因、考えられる病気、当院で行う検査や治療方法について、泌尿器科専門医が分かりやすく解説します。不快な症状を一日も早く解消するための参考にしてください。
膀胱の痛みや下腹部の違和感がある場合、まずは「いつ痛むのか」「他にどのような症状があるか」を確認することが大切です。以下の症状に一つでも心当たりがある場合は、我慢せずに早めの受診をお勧めします。
もし、膀胱の痛みに加えて「38℃以上の急な発熱」「悪寒(寒気)」「腰や背中、脇腹の激しい痛み」がある場合は、一刻も早い受診が必要です。
これは、膀胱の炎症が尿管をさかのぼり、腎臓にまで広がって「急性腎盂腎炎(じんうじんえん)」を引き起こしている可能性が高いためです。腎盂腎炎は重症化すると入院による点滴治療が必要になるケースがあり、放置するのは非常に危険です。また、腎盂腎炎から敗血症(血液の中に菌が入り込んで増殖する状態)になると生命の危険があります。
「ただの膀胱炎だから」と軽視せず、早めに当院へご相談ください。
膀胱は、腎臓で作られた尿を一時的に溜めておくための袋状の器官です。内壁はデリケートな粘膜で覆われており、ここに炎症やトラブルが起きると痛みを感知します。男女や年齢によって原因となる病気は異なりますが、主に以下のような疾患が考えられます。
膀胱の痛みで最も頻度が高いのが「急性膀胱炎」です。大腸菌などの細菌が尿道の出口から侵入し、膀胱の中で増殖して粘膜に炎症を起こします。
短期で治る急性膀胱炎とは異なり、数週間〜数ヶ月にわたってジワジワと症状が続いたり、再発を繰り返したりする状態です。
一般的な膀胱炎とは異なり、細菌感染がないにもかかわらず、膀胱壁(間質と呼ばれる深い層)に慢性的な炎症が起こる原因不明の病気です。
目で見てもハッキリと分かる、真っ赤な尿(肉眼的血尿)が出るのが大きな特徴の膀胱炎です。
「膀胱が痛い」という症状でも、病気によって痛むタイミングや原因が大きく異なります。特に見分けがつきにくい2つの疾患の違いをまとめました。
| 項目 | 急性膀胱炎 | 間質性膀胱炎 |
|---|---|---|
| 主な原因 | 細菌感染(主に大腸菌など) | 不明なことが多いですが、免疫システムの異常やバリア機能の低下など(非細菌性の慢性炎症) |
| 痛むタイミング | 排尿時(特に排尿の終わり際) | 尿が溜まったとき(排尿すると和らぐ) |
| 尿の見た目 | 濁る、または血尿 | 濁りはない(見た目は正常) |
| 尿検査の結果 | 白血球や細菌が検出される | 異常なし(細菌は見つからない) |
| 一般的な治療法 | 抗菌薬(抗生物質)の服用 | 膀胱水圧拡張術、膀胱内への薬剤注入、内服薬、食事指導など |
「泌尿器科の検査は痛そうで怖い」「恥ずかしい」というイメージを持たれがちですが、当院の初診で行う検査のほとんどは「尿を採るだけ」の痛みを伴わない検査です。どうぞ安心して受診してください。
尿検査・尿沈渣(ちんさ)検査
来院時に採取していただいた尿を、試験紙や専用の機械を使って詳しく調べます。尿の中に炎症を示す「白血球」や、出血を示す「赤血球」、そして「細菌」がいるかどうかを確認します。急性膀胱炎であれば、この検査でほぼ診断が可能です。
尿培養検査・薬剤感受性検査
尿の中にある細菌を数日間育てて、原因菌を正確に特定します。また、その菌に対して「どの抗菌薬(抗生物質)が最もよく効くか」を調べることで、患者様に最も効果的で無駄のないお薬をピンポイントで処方することができます。
「膀胱炎になるたびに抗菌薬を内服しているけど、すぐ再発する」というような方は、原因菌と内服する抗菌薬が合っていない可能性あり、この検査をおすすめします。
超音波(エコー)検査
下腹部にゼリーを塗り、体の上から超音波を当てて膀胱や腎臓の形を画面に映し出す検査です。痛みは一切ありません。慢性膀胱炎の背景にある「尿路結石」や「前立腺肥大症」「残尿量(尿の残り具合)」を調べるために行います。
膀胱鏡(内視鏡)検査
症状がどうしても治まらない場合や、血尿が続く場合に、細くて柔らかいカメラを尿道から挿入して膀胱の内部を直接確認する検査です。がんなどの重大な病気が隠れていないか、あるいは間質性膀胱炎に特有の粘膜の割れ目(ハンナ病変)がないかを確認するために行います。男性では麻酔ゼリーを使用して痛みに最大限配慮して行います。女性では通常、麻酔は不要ですが、間質性膀胱炎など痛みに過敏になっている場合は麻酔薬を注入して行います。
膀胱の痛みを根本から取り除くためには、検査結果に基づいた原因別の適切な治療が不可欠です。
急性膀胱炎の治療
抗菌薬(抗生物質)の服用
原因菌を退治するための抗菌薬を3〜5日間程度内服していただきます。通常、お薬を飲み始めてから1〜2日程度で、痛みや頻尿などのつらい症状は劇的に改善します。
【大切な注意点】
「痛みが消えたから」といって、自己判断でお薬を途中でやめてはいけません。体内に中途半端に生き残った細菌が、薬に対して抵抗力を持つ「耐性」に変化し、慢性化したり再発しやすくなったりするためです。必ず医師に指示された日数の薬をすべて飲みきってください。
慢性膀胱炎の治療
原因疾患の治療と並行
抗菌薬を使って細菌を抑えるとともに、慢性化の原因となっている背景の病気(前立腺肥大症や尿路結石、糖尿病など)の治療を同時に進めます。根本原因を解決しなければ、何度でも再発してしまうためです。
間質性膀胱炎の治療
症状を和らげる複合的アプローチ
細菌が原因ではないため、一般的な膀胱炎の薬(抗菌薬)は効果がありません。以下のような治療を組み合わせて、膀胱の過敏性を抑え、尿を溜められるようにしていきます。
出血性膀胱炎(ウイルス性)の治療
対症療法と安静
ウイルスが原因の場合、特効薬はないため、基本的には水分を多めに摂取して尿量を増やし、ウイルスが自然に体外へ排出されるのを待ちます。通常、安静にしていれば1週間程度で自然に収まります。排尿時の痛みが強い場合は「消炎鎮痛剤」や「痛み止め」、出血がひどい場合は「止血剤」などが処方されることがあります。
膀胱炎は一度治っても、体調の変化などで再発しやすい病気です。日頃から以下の生活習慣を心がけ、膀胱に細菌を「入れない」「増やさない」ようにしましょう。
こまめに水分を補給する
尿の量を増やし、膀胱に入った細菌を尿と一緒にどんどん洗い流す(フラッシング効果)のが最も有効な予防法です。特に沖縄は暑い気候のため、汗をかいて水分不足になりやすく、尿が濃縮されて膀胱炎や尿路結石の発症リスクが高まる傾向にあります。こまめに水分を摂取しましょう。
尿意を我慢しない
「仕事が忙しいから」「出先でトイレに行くのが面倒だから」と尿を長時間膀胱に溜めておくと、その間に細菌が増殖してしまいます。尿意を我慢しすぎないよう注意しましよう。
下半身を冷やさない
体が冷えると骨盤内の血流が悪くなり、膀胱の粘膜の免疫力が低下して細菌に感染しやすくなります。冷房の効いた部屋ではひざ掛けを活用するなど、特に下半身を冷やさないようにしましょう。
排便後の拭き方に注意する(女性)
女性の場合、トイレットペーパーは必ず「前(尿道側)から後ろ(肛門側)」に向けて拭くようにしてください。後ろから前に拭くと、肛門周囲の大腸菌を尿道口に塗り拡げてしまう原因になります。
尿もれ用パッドや生理用ナプキンをこまめに交換する、適切なものを使用する
パッドやナプキンを長時間交換せず使用すると、細菌が繁殖したり、皮膚トラブルの原因となります。また、尿漏れに対して生理用ナプキンを使用すると、尿が逆戻りしやすく、皮膚トラブルや陰部粘膜の炎症の原因となりますので、適切なものを使用しましょう。
温水洗浄便座の洗浄機能は適切に使用する、陰部の洗いすぎに注意
閉経後の女性では、膣内の細菌が、膀胱炎に関与することが分かってきました。温水洗浄便座のビデ機能を使用しすぎると、膣内の常在菌を洗い流してしまうため、膀胱炎の原因菌が膣内で増殖する原因となります。同様に、陰部の洗いすぎもよくないですので、適切に使用しましょう。
免疫力を維持する
過労や睡眠不足、過度なストレスは、体の抵抗力を下げて膀胱炎を引き起こします。規則正しい生活と十分な休養を心がけましょう。
膀胱の痛みや不快感は、「場所が場所だけに恥ずかしい」「そのうち自然に治るだろう」と我慢してしまいがちです。しかし、急性膀胱炎であれば、早期に適切な治療を開始することで、わずか数日で元の快適な生活に戻ることができます。
逆に、放置して重症化(腎盂腎炎)させてしまったり、慢性化して治りづらくなったりすると、治療に長い時間がかかってしまいます。また、尿が溜まったときの痛み(間質性膀胱炎など)のように、専門医でなければ正しい診断や治療が難しいケースもあります。
沖縄市にある当院(まちだ泌尿器科クリニック)では、患者様のプライバシーに最大限配慮し、女性の方も男性の方もリラックスして受診していただける環境作りに努めております。
WEB予約やWEB問診も完備しているため、病状を声に出して言う必要はありません。
「もしかして膀胱炎かも?」「最近トイレのトラブルや下腹部の痛みが気になる」という方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。早期発見・早期治療で、健やかな毎日を取り戻しましょう。
TOP